"Don't be evil."Googleのモットーである。また、国内では、はてなも同じ理念で動いているそうだ。
「邪悪になるな(そんなことをしなくても、ビジネスは成立する)」
さて、このモットー、ちょっと見たところでは立派な考え方である。Googleが中国に進出したときに政府の検閲を受け入れたため、「このモットーを捨てたのではないか」「いやそんなことはない」などの論争が巻き起こったものだが、finalventさんによれば、「テクノロジーに関わる若い人間たちの独自なエートス」だということだ。私もこの意見に賛成で、Googleの考え方を正しく理解したいなら、文字通りに考えるのではなく、「自分の理念に反することをしない」という誓いの言葉くらいにとっておくのがいいのだろう。
ここで問題になるのは「自分の理念」である。いや、Googleの中の人から聞いたわけではない。単に想像しているだけだが、「技術こそ最上のものである」という技術至上主義を、彼らは理念として持っているのではないかと思う。Google AdSenseの顧客対応がいくらひどかろうが、Googleストリートビューの苦情対応窓口を作ることなどわけもないのに、ほとんど無視に近い対応をしようが、彼らの理念に照らし合わせれば、特に大きな問題ではない。
はてなも、ほぼ同じだ。たとえば、内容のないはてなキーワードのページをアフィリエイトリンクで埋め尽くし、スパムサイトだと言われようとも、技術至上主義の理念に照らし合わせれば、問題はない。
ことここに及ぶと、遺伝子操作や原子力産業と同じく、IT業界もまた業界外からの(多くは政治による)「シビリアン・コントロール」が必要なのではないか。とはいえ、政治家の大半がIT技術にある程度通じるようになるまで、あと数十年は無理なのだが。
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