Saturday, July 11, 2020

「TextExpander」「TypeIt4Me」などスニペットの「Secure Input」問題を解決する


「TextExpander」や「TypeIt4Me」といったスニペットは、Macの文字入力を劇的に高速にしてくれるツールだ。特に、複数の定型文を高速に入力しなければならない場面によく出会う人は、必携と言ってもいい。

ただ、スニペットのトラブルでよく見るのが「Secure Input」問題だ。パスワードなど高度な安全性が求められる文字列を入力する際、その入力を他のアプリが横から見ることを許さない。一方で、スニペットは文字入力を横から監視していないと動作しないアプリなので、「Secure Input」機能とはあまり相性がよくない。10年以上前から、事あるごとに「動かない」というトラブルが報告されせているようだ。

When these browsers display a password field, they turn on secure event input so that no one, including TextExpander, can peek at your passwords. Problem is, if you use the Return key to submit a form from within its secure field, they won't turn secure event input off. This appears to be a bug they've inherited from some Firefox code they use. 
The workaround is to use the submit button rather than using Return in the password field. 1Password is similarly affected by this bug. The workaround there is to turn off auto-submit and just use auto-fill then press the button to submit. 
THE SOLUTION: Usually when you quit the application that enabled secure input (permanently) it will be disabled and all will be back to normal.
TextExpander vs Typeit4me: one bug to rule them

ここではFirefoxの問題とされているが、Chromeでもなんでも同じで、要は「Secure Input」をオンにしたアプリが、ちゃんとオフにしないで動いているから、他のところでもスニペットが動かないのだ。

時々、同じ問題で苦しむことはあったものの、何かの拍子で元に戻ることが多かったので、特に気にしないでいた。しかし、今回はちょっとしつこかった。いくつかのアプリを終了しても、エディタもブラウザも「TypeIt4Me」の動作を受け付けないので、試しに「TextExpander」をインストールして試用してみたら、こんな画面が。

見ると、電子ペーパー同期用アプリの「Digital Paper App」が引っかかっていると書いてある。これは助かる。喜び勇んで終了するものの、まだ「Secure Input」を有効にしているアプリがあるようだ。今度は「Unknown App」が邪魔していると書いてある。なんだよそれ!

ちなみに、TextExpanderは「Secure Input」が有効なとき、ステータスバーのアイコンで黄色い三角を表示してくれるので、わかりやすい。まあ、実際にスニペットで変換される文字列を入力してみればいいんだけどね。

で、最終的に引っかかっていたのは、Vivaldiだった。もちろん、Vivaldiが悪いのではなく、パスワードの入力画面が表示されたままのタブが最前面に出ていたのが原因だ。


アプリそのものがアクティブ(=最前面になっている)なわけでもないのに、このタブが最前面にいるために、システム全体で「Secure Input」が有効になってしまう。ブラウザを複数同時起動したり、ブラウザのウィンドウを複数起動したりしていると、気づきにくく、このミスを誘発しやすくなる。

スニペットをMacでバリバリ使っている人こそ、十分注意したほうがいいだろう。

Friday, May 22, 2020

ソニーの電子ペーパー「DPT-RP1」「DPT-CP1」にアンドゥ・リドゥが搭載!

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ソニーの電子ペーパー「DPT-RP1」「DPT-CP1」のファームウェアがアップデートされた。Ver.1.6.03では、ペン入力(手書き・ハイライト)のアンドゥとリドゥがサポートされた。今まで、ミスしたら消しゴムを使うしかなかったが、大きな進歩だろう。

ちょっと試してみたところ、ペン先をディスプレイから離すまでが1操作というわけではなく、操作が少し止まったところで区切っているようだ。そのため、「1,2,3,4,5,6,…」と手書きで入力した場合、必ずしも「6」から順番に1つずつ元に戻せるわけではない。

また、アンドゥとリドゥは同じボタン(アンドゥボタン)をタップしてから、どちらを適用するか選択する。


若干面倒だが、誤操作は減りそうだ。

なお、新機能として、Wi-Fiを単体で設定できるようになった。これは、母艦から離れた場所で新たにWi-Fiアクセスポイントに接続したいときに便利だ。ただ、単体でインターネット接続できるわけではないので、それほど大きなメリットではないだろう。

Sunday, May 17, 2020

ソースネクストで購入したDropboxのライセンスキーが通らない!

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Dropbox Plusはソースネクストで買うとお得…なのだが

ソースネクストで現在開催中(5/31まで)のキャンペーンを利用してDropboxのライセンスキーを購入すると、Dropbox Plus 2年分の金額(2万8800円)、3年間利用できる。2年は確実に使うという人はぜひ購入を検討してみて欲しい。
https://www.sourcenext.com/product/dropbox/

ワシはすでにDropbox Plusに加入済みで、クレジットカード決済をしている。これが前提条件。

ライセンスキーを購入して、ソースネクストからキーがメールで送られて来たら、次のページにアクセスする。
https://www.dropbox.com/pro/redeem_key
[ライセンスキー]に送られてきたライセンスキーの文字列を入力する(ハイフンも忘れないように!)。[国]はもちろん[日本]を選択して、[Dropbox Plus の利用を開始する]をクリックすると、次の画面が表示された。

一番上に小さく表示された「このライセンスキーはお住いの国では有効ではありません。」というのが、今回のトラップ。[国]を[アメリカ合衆国]にしても通らない。 仕方なく、Dropboxサポートに連絡して、何度かやり取りして送られてきた対処方法が以下のもの。

1.Dropbox Basicにダウングレードする。
2.ダウングレード後に再度ライセンスを適用する。

なぜこういうエラーが表示されるかというと、Dropbox Plusをクレカで決済していると、支払通貨が米ドルに設定される。そこに、日本円で購入したライセンスキーを登録すると、支払通貨が異なるため、エラーが発生するとのこと。無料版のBasicにダウングレードすると、支払通貨がリセットされるため、ライセンスキーが通る…という理屈らしい。

なんじゃそら、という話だが、まあシステム的には理解できなくもない。実際にダウングレードしてみよう。

Dropbox Basicにダウングレード



[設定]の[プラン変更](だったかな)からダウングレードを選択すると、[キャンセルしてもよろしいですか?]と尋ねられる。適当に答えて[キャンセルを続行]をクリック。

結構、脅かされるが、負けずに下にスクロール。


さらに脅かされるが、右の[ダウングレードする]をクリック。


やっとダウングレードできた。「お客様のDropbox Plus 2TBプランは、2021年1月22日にDropbox Basicにダウングレードされます。」と表示されている。

やっぱりライセンスキーは通らない…

で、この後、最初に戻ってライセンスキーを適用してみたが、結果は同じだった。ライセンスキーが通らない……。

ワシは2021年1月22日までDropbox Plusの契約期間が残っている。つまり、ダウングレードの操作をしても、2021年1月22日まではDropbox Plusが利用できる。上の手順1.と2.で、ダウングレード操作の後、実際にダウングレードされるまで時間があるのだが、その間はどうやらソースネクストで購入したライセンスキーは通らないのかもしれない。

本件は、まだサポートとやり取りが続いているので、結果がわかれば追記する。

(追記)
やはり、実際にダウングレードされるまでライセンスキーは適用されないようだ。それならそれでいいのだが、実はソースネクストのページには全然違うことが書いてある。

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「事前にシリアルキーを利用することで期間延長の予約ができます」とあるが、実際にはできないケースがある。これはマズい。ワシのような被害者が今後も出てくる可能性があるので、Dropboxかソースネクストに(丁寧に)ねじ込むことにする。

(追記2)
ソースネクストに問い合わせしてみたところ、Q&Aに書いてある通りの回答が得られた。嘘の回答である。これはよろしくない。丁寧に粘り強くクレームを入れるしかあるまい。

(追記3)
再度ソースネクストに問い合わせしてみたところ、Dropboxから来たのと同じ回答が得られた。Webはまだ間違ったままだ。


Wednesday, April 15, 2020

【追記あり】朝日新聞デジタルの有料会員への仕打ちがむごい

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朝日新聞デジタルとデジタル毎日は有料契約をしている。前者は時々読みたい記事が朝日新聞だったからで、後者はWSJがただで読めるからである。なぜか左翼系新聞ばかり契約しているが、考え方のバランスを取る上でも悪くない選択だろう。自分の意見に合わない情報を取り入れないのはよくない。

それはともかく、先日から朝日新聞デジタルは有料記事を無料会員にも公開し、一部記事を除き(何が除かれているのかは不明)、無制限に読める=1日何本でも読めるようにした。

新型コロナウイルス感染拡大への対応で記事を原則無料で公開いたします - 総合ガイド

いつも朝日新聞デジタルをご利用いただきありがとうございます。 朝日新聞デジタルは、緊急事態宣言発令をうけ、本日より当面の間、掲載している記事を原則無料で公開いたします。※一部のコンテンツを除きます。 朝日新聞デジタルでは、最新かつ正確な情報をいち早くお読みいただけるよう24時間体制で配信しています。 ...

「緊急事態宣言を受けて」ということで、まあ、やりたいことはわからないでもない。しかし、すでに課金している有料会員に対しては、何の補償もないようだ。特に、シンプルコースは新聞紙面は読めないので、無料会員との違いがまったくない状態だ。デジタル毎日はWSJの特典が大きい(WSJ単体で契約すると、契約解除が非常に面倒)ので続けるが、朝日新聞デジタルはこの機会に解約してしまってもいいだろうと思った。そもそも政治・社会関係の記事には誤報も多いし、世論を自分たちの思った方向に誘導しようとする姿勢もとても受け入れられないし。

さすがにこれはと思ったので、問い合わせのメールを送ったところ、
朝日新聞デジタルをご愛読いただき、ありがとうございます。お客様にはご心配とご迷惑をおかけしております。
この度の緊急事態宣言発令に伴う記事無料公開の判断は、報道機関として
より広く情報をお伝えするための期間限定の取り組みとなります。
多くの方々のご不安を少しでも軽減し、安心できる社会生活の継続と
心の平穏の一助になれば、との思いより今回の無料公開に至りました。
有料会員様におかれましては、大変恐縮ではありますが、「無料公開期間中」
におきましても購読料金がかかります。
何とぞご了承くださいますよう、お願い申し上げます。
という返信が来た。ご了承できるわけないだろ。

(追記)
おそらく、似たような問い合わせが多かったのだろう。4月16日には、有料会員限定記事の無料公開が終了した。ただ、無料会員でも有料記事の閲覧はそのまま継続された。

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さらに、4月28日には、無料会員の有料記事の閲覧無制限対応を終了した。

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当然だろう。

Monday, April 13, 2020

ファイルのコピーが実は難しい


問題。以下のような構成のフォルダがあります。同名で中身の異なるファイルは、古いほうのファイル名の末尾に「_old」などという文字列をつけた上で、2つのフォルダの中身を1つにまとめたいと思います。どうすれば早いでしょうか。


回答。「folder_A」の中身の方が古いようなので、「folder_A」と「folder_B」を見比べて、同名のファイルがあれば、「folder_A」のファイル名を変更した上で、「folder_B」からコピーする。ここでは「2-1-1.jpg」と「2-1-2.jpg」は中身が同じようなので、この2つは放置する。そして、「folder_A」の「2-2-1.png」「2-2-2a.png」「2-2-2b.png」「2-2-2c.png」のファイル名を変更して、「folder_B」から「folder_A」に「2-2-1.png」「2-2-2a.png」「2-2-2b.png」「2-2-2c.png」をコピーする。これが正解だろう。

しかし、ここでは6つしかファイルがなかったので、上の方法でもできたが、数十、あるいは数百あったらどうだろう。ものすごく神経を使う作業を何時間もやらないといけなくなる。その上、操作ミスする確率は非常に高くなる。

では、どうすればいいか。いくつか方法がある。

1.バックアップソフトを使う

Macの「ChronoSync」などのバックアップソフトを使うと、コピー時にいろいろな設定ができる。ファイルの比較もかなり厳密にやってくれるので、ファイルのタイムスタンプとサイズだけで見比べるより確実だ。インターフェイスもしっかりしているので、間違えにくい。デメリットは、コピー前の設定が大変なことだ。正しく設定するには、かなり手間がかかる。バックアップソフトは、どう考えてもオーバークオリティである。

2.プログラミング言語を使う

AppleScriptやPythonの資料をちょこちょこ読んでみたが、いずれもワシにはかなり難しい。AppleScriptは、使いこなせるようになれば、Macユーザーにとっては便利なツールなのだが、いかんせん、資料が少ない。ここ数年はほとんど書籍も発売されていない。基本から学ぶにはもう遅すぎるようだ。一方、Pythonなら資料は豊富にある。『退屈なことはPythonにやらせよう』(オライリー)など入門者向け資料も手元にある。読んでみたところ、「shutil」モジュール(あるいは、それに類するもの)を使えば良さそうなところまではわかった。ただ、入門書によくある問題、すなわち「書いてあることはできるのだが、自分のやりたいことはできない」ところに当たってしまう。

3.Finderを使う

プログラミング言語を調べながら、何かいいソフトはないかと探していたら、こんなページに当たった。

Macで5個以上のファイル移動で「両方とも残す」方法 - 非天マザー by B-CHAN

MacもWindowsパソコンも基本的には同じ。 ファイル操作もほとんど同じです。 ただし、細かいところで違いがあります。 今回はMacでのファイルの移動について。 あるファイルを別のフォルダに移動させるとき、移動先のフォルダに同じ名前のファイルがあると、いくつかの選択が考えられます。 Windowsなら、こんな感じになります。 Macの場合は、移動するファイルの数によって対応が異なります。
Finderでファイルを移動するときに、移動先に同じ名前のファイルがあると、移動元のファイル名に「〜のコピー」と付けてくれる。今回の例では、「folder_A」のファイルを「folder_B」に移動しようとすると、このような画面になる。


ここで「両方とも残す」をクリックすれば良い。あとは、リネームソフトで「〜のコピー」を「_old」など好きな文字列に変更する。

ということで、灯台下暗し。Finderで十分間に合ったという話だった。


Friday, April 10, 2020

「誠実な嘘つき」こそ目指すべき


ジョン・J・ミアシャイマー『なぜリーダーはウソをつくのか』(中公文庫)に寄れば、国家のリーダーは7種類のウソをつく(pp.45)。

  1. 国家間のウソ…他国よりも戦略的に有利な立場を獲得したり、他国が自分たちの分まで有利になるのを阻止する
  2. 恐怖の煽動…自国民が全く認識していないか、あるいは十分に理解していないと思われる、対外政策面での脅威を認めさせる
  3. 戦略的隠蔽…失敗したり議論を巻き起こしたりする政策を自国民や他国から隠す
  4. ナショナリスト的神話作り…自国民に対して、「我々が常に正しくて、彼らが常に悪い」という物語を教える
  5. リベラル的ウソ…リベラル的な規範と矛盾するような国家の行動を隠すために使われる
  6. 社会帝国主義…自国の経済的または政治的利益や、特定の社会階層や利益団体のために、他国の事柄について嘘をつく
  7. 無能の隠蔽…自分たちのせいで失敗したり実現できなかった政策について、自己の利益を求めて嘘をつく

さて、わかりやすいところで言えば、韓国で何か日本起源のものを指して「これは朝鮮半島起源であり、日本に輸入されたものである」と言うのは、上に挙げた「4.ナショナリスト的神話作り」に当たる。また、ブッシュ米大統領がイラクに大量兵器があると発表したのは「2.恐怖の煽動」であり、2019年末以降、日本政府が国内の景気低迷を「緩やかに回復」としたのは「3.戦略的隠蔽」であろう。もしかしたら、景気対策が失敗したことを自覚していて「7.無能の隠蔽」を図ったのかもしれないが。

注意しなければならないのは、これらの嘘は決して国家のリーダーの専売特許ではないことだ。安倍政権を口汚く罵る人々にも、ほぼ共通して見られる、ある種のテクニックなのである。流石に全てが当てはまるわけではないが、自分が過去に褒めていた人が迷走し始めたので関連動画を非公開にする「7.無能の隠蔽」や、自分がお金をもらっている団体のことを持ち上げる「6.社会帝国主義」は日常的に見られる。YouTubeで偉そうなことを言っている人の動画を10分も見れば、だいたい上の項目のうちのいくつかが含まれていることに気づくはずだ。「嘘」と断ずる根拠がないので、そういった動画を挙げて例示するのは難しいのだが。

ワシがこの部分に引っかかったのには、さらに理由がある。これら嘘をつくことが国家のリーダーとか有名なYouTube=煽動家にのみ許された行為であるなら、単純に「世の中のことをよく理解できるようになった。むふふ」と言っていれば済む話なのだが、これに似たことはビジネスの現場にも当てはまる。しかも、それは大企業だけに止まらず、個人事業主やアルバイトのレベルまで関係がある。

出版物で言えば、「この知識がないと、現代を生き残れない!」などという煽り文句は常套句である。実際には、その本を読まずに現代を生き残ることが可能であったとしても(だいたいの場合、本の知識は生き残るのに必要ない)、このようなアオリを書くことに罪悪感を持つ編集者はいないだろう。つまり、その煽り文句は嘘である。上で言うところの「2.恐怖の煽動」であり、「3.戦略的隠蔽」に当たる。

そこで気になるのは、「嘘をつくのは良くない」という道徳的・宗教的教えである。たまたま、今日見た動画の中にこういうものがあった。



大愚和尚のYouTube動画だが、このように説法を行う大愚和尚ご自身が「誠実」なのかは、よくわからない。おそらくは「誠実」ではないだろう。ワシの尺度によれば、だが。ワシの尺度によれば、もう自分の生活のために儲けなくても食べていける状態というのは、大変な「不誠実」から成り立っている。また、宗教家が自分を飾り立てるようになると、それは中身が腐敗してきたことを意味する。

もちろん、美しい映像と滑らかな語り口によって、ファンは増えるだろう。そして、助けられる人も増えていくだろう。しかし、それは宗教家としての「誠実」とは関係がない。ローマ教会の歴史と残されている建造物・美術品を見よ。

一方で、人助けという面から見れば、「誠実」であることは必須ではなく、むしろ人助けの能力が高い方が重要である。人助けという面から見れば、宗教家として誠実で人助けに興味のない人よりは、説法がうまく、ファンを集められる人の方が価値が高い。それはそれでいい。しかし、それは「誠実」とは関係のないことだ。

僧侶でさえ、自分の顔(=自分がどうであるか)を鏡ではっきりと見る(=自分で知る)のは難しい。自分が「誠実」でないことに気づかず、他人に「誠実であれ」と説教してしまう。誠実さも賢さも、大愚和尚に全然劣っているワシのような人間ならなおさらだ。よくよく注意した方がいい。

閑話休題。大愚和尚が嘘をついていないまでも「誠実」ではないことを目の当たりにするにつけ、ワシら凡人は「誠実な人間であろう」とするよりも「自覚的に嘘をつく」ことを目指した方がいいのかもしれない、と感じている。もちろん、何にでも嘘をつくのは精神的な障碍であり、とても勧められるものではない。しかし、変に「誠実」であることによって、自分や自分の近しい人を危険に晒したり、あるいは本来伝えるべき知識が伝わらないとしたら、それは目的から外れる。

出版物で言えば、例えばExcelの使い方を事務職の人が覚えることには何の問題もなく、知識があることが知識がないことよりもほぼ無条件で優れている。であるなら、ごく単純な話、「Excelが使えないと、現代では生きていけない」とか「この機能を使いこなしてこそ、一人前のビジネスパーソンである」などと言ってしまうことは、「2.恐怖の煽動」や「1.国家間のウソ」「4.ナショナリスト的神話作り」に繋がるが、それはもはや必要なウソである。

似たようなことは、日々のビジネスシーンでよく生じる。思い返すに、本当のことを言った「誠実」な行為から不都合な結果が生まれたことは枚挙にいとまがない。「嘘をつくのは良くない」「本当のことを言うのが望ましい」という固定観念は、真面目な人間こそ、捨てた方がいいような気がする。

あるいは、目指すべきは「誠実な嘘つき」なのかもしれない。「誠実な嘘つき」になるためには、どのように嘘をつくと自分や他人のためになるのかを考える必要がある。最近、人生でもっとも重要なのは「戦略」であるという思いを強くしているのだが、「誠実な嘘つき」であるためには「戦略」が必要になってくる。何も考えずに、ぼーっと本当のことだけを言っている人間には「戦略」は無縁である。そういう生き方も認められるべきだが、この世に生きている限り、なかなかうまくいかないものだ。


Tuesday, April 07, 2020

ビジネスチャットに関するいい加減な記事にご注意



Slackの知名度が上がり、これまで国内で展開してきたビジネスチャットを導入する企業やビジネスパーソンが増えてきた。ネットの記事も増えてきたのはいいが、中には微妙なものもある。もしかすると、デジタルに限らないのかもしれないが、ライターの書いてきた記事を読む編集者側のスキルや知識が追いついていないのか、いい加減な記事が量産される傾向がますます強まってきているように感じる。

今、国内でビジネスチャットといえば、チャットワークとSlackはいいとして、その次に何を入れるかで記事の価値が決まる。チャットツールは、開発の難易度がそれほど高くないので、多くの製品・サービスが乱立している状況だが、入れたらマズイ製品はある。製品の出来が悪いとかではなく、「これはビジネスチャットと言わない方が良い」というものだ。

ビジネスチャットの定義はいろいろ考えられよう。しかし、ワシ的には
  1. 投稿後に編集できる
  2. グループが好きな数だけ設定できる
  3. 参加者に対する管理機能がある
  4. ファイルをサービス内で送受信できる
という4つは外してはいけないと思う。決して、「ビジネスに使うチャットサービス」をビジネスチャットと呼ぶわけではない。そんなことをすると、勘違いする素人さんが大量に出てきてしまい、記事を書いたライターが誤りを広めた張本人となってしまう。

この基準でいえば、Googleのハングアウトはビジネスチャットではない個人向けのLINEもビジネスチャットではない(LINE WORKSはビジネスチャットと言ってもいいだろう)。 Skypeもビジネスチャットではないこれらをビジネスチャットとして紹介している記事は端的に間違っているので、参照してはならない。