Friday, June 08, 2018

投資だけでは人生は好転しない

投資と女性

投資本がブームだが、実は投資のみによっていては、十分なお金を得ることはできない。身も蓋もないので、投資本には絶対に書いてない(そもそも投資本を読む人には必要ない情報だし)が、事実はそうだとのこと。初期元本0円、毎月の積立額を1万円、運用利回りを年4%、運用期間を38年としたとき、実際に得られる金額はどのくらいだろうか。

これは投資元本456万円を積み上げることに相当しますが、最終的な受取額は1068万円まで増えます。これでも十分な運用成果だと思いますが、運用収益は612万円でしかありません(実際には利益確定のたびに20%課税になるので、非課税投資口座を活用しなければもっと低くなる)。

利回りを年8%としても運用収益は2498万円だとか。これはかなり魅力的だが、利回りを大きく設定すると、当然リスクが増大するので、4%に設定しておく方が無難だろう。元本の追加分を増やす手はあるが、追加できるシチュエーションばかりではなく、食いつぶすシチュエーションも出てくる。例えば、ずっと独身ならともかく、子供がいれば教育費がかかるし、家を買うこともあるだろう。しかも、問題は運用収益を上げるための方法で、職場のトイレで売買を繰り返せばどうなるか。

業務時間にトレードを繰り返したツケは、人的資本の空費、つまり「生涯賃金減」として降りかかって来ます。同僚から昇格昇給のペースが遅れることは、その後のキャリアの差にもつながる可能性が高く、生涯賃金数百万円を簡単に損します。ボーナスの査定で5〜10万円の取りこぼしを繰り返したとすれば、こちらも数百万円の損です。

となると、仕事に余裕が出てくるまでは、仕事ができるようになることに投資する方が効率が良い。事務職ならExcel VBAとか、営業職なら話し方とか、エンジニアなら本を買って読むなど、改善すれば効果のある「投資先」はたくさんある。仕事への「投資」である程度うまくいくようになって、給与が上がってくれば、余剰で長期の投資をやるのはいいことだろう。

まあ、仕事への「投資」は必ず回収できる=給与が上がるとは限らないので、株式や債券などのリアル投資に向かう気持ちはわかるんだけどね。ワシも、学歴を得るための投資は随分したけど、十分なリターンが得られたとは言えないし。

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