Sunday, January 19, 2020

さらば新JIS配列

タイピングに関する意外な研究結果が話題。一本指打法は慣れればタッチタイピング(いわゆるブラインドタッチ)に引けをとらないらしい

論文では、タイピング能力に「本当に」影響がある要素として次の3つを挙げている: 1. 同じ文字には常に同じ指を割り当てること 2. 次に押すキーの近くに予め指を置いておく 3. 手の動きを最小限にする あと、細かい話題としては打鍵中の視線移動。non-touch typist は touch typist よりキーボードを見ている回数も割合も多いんだけど、 touch typist も全く見ていないわけではなく、平均で 2 割程度の時間は手元を見ている らしい。これは「タッチタイプでは手元を見ない」という一般的な通念に反する。 まぁ、そんな感じで、自作キーボードにおける小指の配置、特に Q A Z P をどうするかというのは一考の余地があるなぁと思った。よくよく考えると、我々は P を押す時に指ではなくて手を回転させてない? とか。 あ、補足。手元を見ない方が早いというのは当然で、論文中でもtouch だろうが non-touch だろうが明確に相関があると指摘されてます。要は、フォームはタッチタイプでも実際には「見てる」場合がある、ということですね。 @okapies 質問です、一般にかなり速いと言われる速度(10キー毎秒以上)も一本指打法で到達でき得るものなのでしょうか @okapies 「タイピスト!」というフランス映画を思い出しました。 一本指打法でも、ものすごく速い...。 機会があればまた見たい映画です。 英語だったので論文の中身は読んでないのだけど、両手の人差し指と中指だけしか使わないのにタイピングスピードがかなり早い人がいると大学時代に聞いたことがあるからこれはその通りなんだろうなあと思った。RT まじですかやった わたしも我流の一本指打法なんですけど ちょっとコンプレックスではあったのよな

タイピングについて最近思うこと

  1. 入力の速度が、入力のすべてではない
  2. 配列や運指を変更しても、入力速度が上がるとは限らない
どうやっても入力の速度があまり上がらないワシのようなオッサンは、半ば負け惜しみのようだが、こう思う。いわゆる「オリジナル打鍵」、すなわち文章を考えながら入力する=すでにできている文章を写すのではない場合、言葉の出てくる速度をできるだけ邪魔しないのが望ましい。つまり、言葉が出てくる速度が遅いのであれば、入力速度も遅くてよい。このあたり、「指が喋る」という表現を多用する界隈の方々は知っておく必要があるのでは、と思う。逆に、非常に高速に言葉の出てくる人は、キーボードではなく、音声入力のほうが向いている

タイピングによる入力の速度の上限は、配列や運指に限らず、人によって一定なのではないか。ミスタッチの頻度・割合も変わらないような気がする。

キー入力については「入力速度が速ければ速いほどいい」という考え方に陥りがちだが、快適さも重要だ。ワシの場合、JISかな配列では、右手小指を頻繁に使うカタカナ語の入力時にイライラして仕方なかった。蜂蜜小梅配列に変更して、カタカナ語でのイライラは収まった。

それでも、少し入力速度を上げたいのであれば、いくつか試すとよさそうなことがある。1つは、画面を見ないこと。「それ、タッチタイプじゃねーだろ」と批判されそうだが、ワシが見ているのは脳内のキーボードだ。QWERTY+ローマ字入力やJISかな配列以外で、キートップを見ても、ほとんど意味はない。画面を見ていると、意外と文章に対する集中力が削がれる。もちろん、誤変換の修正は時間のロスなので、修正しなくていいように、チラチラと画面の入力場所は見ている。あまり視線が大きく外れないようにしないと逆効果なのだが、意外とこれがよさそうだ。

もうひとつは、ほかに言っている人もいるだろうが、よく出てくる言い回しを練習して指に覚えさせること。JISかな配列をはじめとしたカナ系入力は、1ストローク1文字が基本なので、「ある」「する」「なので」「ように」「もの」「ない」といった文末によく使われるもの、「思う」「しかし」「可能」「頻繁」といった、(自分の書く文章に)頻出する単語をサクッと入力できるように練習すれば、入力速度は上がりそうだ。今、思いついたのだが、これってピアニストがスケールやアルペジオを練習するのと似ているかも。ワシはピアノが弾けないので、単なる想像だけど。

新JIS配列を卒業します


3週間ほど新JIS配列を使ってきてわかったことは、①左手を酷使する、②半濁音や長音がかなり遠い、③TYPBの各キーをがっつり使うので指には悪そう、④キーボードを選ばないで使える、⑤前に使っていた配列(蜂蜜小梅配列)にものすごく引っ張られる、⑥習得までにかかる時間は非常に短い=覚えやすいのは確か、⑦シフトキーであるスペースを主に左手親指で押していたので、右手親指の腱鞘炎にはよかった、くらい。

④は近い将来、旧REALFORCEが壊れて使えなくなってしまったら、使えるキーボードがなくなってしまうかもと思って、新下駄配列と天秤にかけて新JIS配列を選んだのだが、今となっては選択ミスの疑いが強い。②③が辛くて仕方ない。ワシの書く文章で長音がサクサク出てこないのは、大変拙い。「キーボード」と入力するのでさえ、ちょっと構えてしまう。①も結構キツい。蜂蜜小梅配列で右手が担当している文字が左手側に配置されているケースが多く感じる。長時間連続してタイプすると、左手が痛んでくる。

結論として、カタカナ語の多い文章を書くのに新JIS配列は合わない。蜂蜜小梅配列で入力していたときのほうが、いくつかマイナーな問題は抱えていたにせよ、快適に入力できていた。ということで、近日中に蜂蜜小梅配列に戻すことにする。もし、右手親指の腱鞘炎がまた悪化してきたら、今度こそ新下駄配列に挑戦する。たぶん。

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