Friday, May 24, 2019

ソニーの電子ペーパーがアップデート ピンチイン/ピンチアウトに対応

Image from Gyazo

ソニーからのOEM供給を受けて、富士通が電子ペーパー「QUADERNO(クアデルノ)」を発売したのが昨年末だったか。「DPT-RP1」ユーザーのワシは、ピンチイン/ピンチアウトに対応しているのはちょっと羨ましかったが、どうやら同じ機能が追加されたようだ。

新しいファームウェアで追加された新機能のリストは以下の通り。

  1. ピンチ操作による拡大機能
  2. 目次(しおり)機能(PDFの目次に対応)
  3. 履歴ジャンプ機能
  4. ドキュメント複製機能
  5. ペンの色「黒/赤」組み合わせ追加
  6. ノートのテンプレートに「方眼罫_横」追加

重要なものを取り上げておこう。まず「1.ピンチ操作による拡大機能」だが、これは便利だ。拡大したいときは、わざわざ画面上端をタップしてツールバーを表示し、右上の拡大ボタンをタップしていたが、これが不要になる。「2.目次(しおり)機能」は、しおりが設定されていないPDFでは使えなさそうだが、どっこい(←古い)、Acrobat ProなどPDF編集ソフトでしおりを設定すれば、簡単に目的のページにジャンプできるようになった。

「DPT-RP1」で一番鬱陶しいのが、ページ移動に時間がかかることだ。「マーク」を活用すれば、多少は移動が楽になるのだが、肝心のマークは判定の精度がかなり厳しく、特に☆は注意して描いても3回に1回はミスになる(☆だと判別されない)。マークを使わない移動では、フリック操作がどうしても必要になるが、これを何度も繰り返さねばならないことにストレスを感じていた。しかし、しおりからのジャンプが楽になれば、ちょっとはマシになるかもしれない。よく考えてみたら、ワシの扱うPDFにはほとんどしおりが設定されていないのだが、Acrobat Proでしおりを設定する方法もある。

PDF のページサムネールとしおり, Adobe Acrobat DC
https://helpx.adobe.com/jp/acrobat/using/page-thumbnails-bookmarks-pdfs.html

「3.履歴ジャンプ機能」や「4.ドキュメント複製機能」は小ネタだが、次の「5.ペンの色「黒/赤」組み合わせ追加」は、メモ書きに使っている人にはいい。PDF校正など通常時は「青/赤」で十分なのだが、メモ書きしたPDFをパソコンで見ると違和感を感じることもあろう。やはり黒が欲しいと思うなら、ぜひ使ってみるべき。「6.ノートのテンプレートに「方眼罫_横」追加」は、本体を横向きにすればいいだろと思ったのだが、実はここにしれっと重要なことが書いてある

デジタルペーパーではペンの入射角度を検知しており、それぞれ使い分けることで、ペンの書き味が最適化されます。

おいおい。

ちなみに、「QUADERNO」の売りの一つ(だとワシが思った)、カレンダーはPDFをダウンロードできる。テンプレに登録すれば、簡単にページを追加できそうだ。

テンプレート ダウンロード | デジタルペーパー | デジタルペーパー | ソニー
https://www.sony.jp/digital-paper/support/template/

 

Wednesday, May 22, 2019

「KOSMOS ink」到着→レビュー その2

「machi-ya」のクラウドファウンディングで購入したStilformの万年筆「KOSMOS ink」だが、ニブと本体の組み合わせはデザイン的に大失敗だったものの、書き味はまあまあだ。欧州統一規格のカートリッジやコンバーターが使えるので、早速コンバーターを買ってみた。
 
付属のカートリッジに入ったインクはやや粘土が低そうだったので、粘度の高そうなセーラーの「極黒」を入れてある。
 
 
 
付属カートリッジでは色にムラがあったが、「極黒」ではかなり均一な色合いで、これなら3万円代の海外製万年筆と遜色ない。

Friday, May 17, 2019

年寄りと若者の命の重さは異なる

「家、ついて行って」衝撃告白SPに反響続々「涙が止まらない...」 - ライブドアニュース

5月15日に放送されたバラエティ番組「 家、ついて行ってイイですか? 予想外の結末...最後に衝撃告白SP」(テレビ東京系)について、「多くの人に見て欲しい」との声が上がっている。   ...
「午後2時30分頃かな。横断歩道渡り終えた娘が浦和駅に向かって歩いてたんですよ。老人が運転する車、娘に気付かなくて、助手席に奥さんが乗って『危ない!』って言ったらしいんですよ。それで慌てたのか知らないけど、アクセルとブレーキ踏み間違えたと」
「そのまま壁に向かってうちの娘を押し当てて、5分も6分も10分も降りて来ない。本人は。周りの人間がダーンと窓叩いて、それでも降りてこない。『何やってんだ!お前、早く降りろ!バックしろ!』。それでもアクセル踏み潰してた」
「娘が『ギャーー!』って言ってる声がマンションの3~4階まで響いてたってんだから」
事故率は若者の方が高い、という意見もある。どちらを優先的に処罰すべきかについての庶民感情は、犠牲者が誰かによるのかもしれない。池袋の上級国民は87歳だったか、若い女性とその子供を轢き殺した。このリンク先で触れられている事件では、80代男性が高校生を押し潰して殺した。これが逆ならニュースにならなかったかもしれない。

若者の無謀運転に子供や若い人が犠牲になった事故がないわけでもなかろう。無謀運転は無謀運転で阻止する方法を考えないと行けないが、老人のペダル踏み間違いは原因が一つなので、対策は立てやすいのではないかなあ。

P.S.
事故率は若者のほうが高い。実数で言えば若者の事故が多い。それが事実だとしても、ワシは命の重さには偏りがあり、年寄りより若者の命のほうが大切だという立場に立ちたい。自分が年寄りになってしまっても、そう思い続けたい。



Saturday, May 11, 2019

テクニカルな内容を扱うときに最低限注意すべきこと

「7人の命を奪ったPowerPointのスライド発表」とは?

by Christina Morillo 2003年2月1日に発生したコロンビア号空中分解事故 は、アメリカのスペースシャトル「」が大気圏に再突入する際に空中分解を起こし、7人の宇宙飛行士が犠牲となった事故です。そんなコロンビア号の事故の背景には、とある「PowerPointのスライド発表」があったそうで、医師である教育者であるJames Thomas 氏がスライドについて解説しています。 ...

タフテ教授は断熱材を表す「SOFI」と「ramp」という単語が混在しているなど、曖昧な書き方になっている点も問題だと指摘。そしてスライドに100語以上もの単語が表示されており、「テストデータは実際の条件から大きく外れている」という重要な部分が最も下に位置しているため、聴衆が重要な部分にたどり着くのが困難であったと述べています。
原因は以下の3つか。

1.表記が揺れている
2.文字が多すぎる(文章が長すぎる、文字が小さすぎる)
3.重要な箇所が然るべき箇所に配置されていない

いずれも可読性、理解のしやすさを損なう結果を引き起こした。文章を書く際には、頭に入れておいた方がよさそう。

Thursday, May 09, 2019

なぜ日本がITの世界で後進国なのか

日本のIT産業はなぜ技術者の「才能」を殺すのか

「近代日本の歩みはすべて才能扼殺の上に築かれてきた」


福田恆存の「私の演劇教室」(1959)という本に、以下のくだりがあるとのこと。
言葉を操るのもまた才能である。しかも、それは機械工業や製靴や製本と同じく、南蠻渡来のものなのである。同じくではない、私たち日本人にとつては、それらと較べものにならぬくらゐ異質の才能に屬する。したがつて、西洋の文化、文明を同化するといふ大事業のうち、言葉を操る仕事がもっとも遲れてゐる

ここでいう「言葉」の解釈は難しいのだが、結局のところは「つべこべ言わずに仕事しろ、実績を上げろ」ということになる。ソースにはもう一つ、「才能を重視せよ」ともある。当たり前のようだが、実はこれが日本人には非常に難しい。才能ある人が作った「いいもの」が認められず、普通の人が適当に作ったものがもてはやされる場面を挙げたらキリがない。

で、思いついたのだが、日本がITの世界で後進国である理由の一つは、プログラミング的思考が日本人の思考に馴染まないことではないか。プログラミングとは、なるべく少ない手間で多くの結果を得ることが良いとされている。しかし、日本の企業では、手間を減らす=悪と考える人がまだまだ少なくない。Excelのマクロを作って作業時間を大幅に減らしたら上司から怒られた、とか笑い話にもならないような話がゴロゴロしている。つまり、プログラミングの目的を追求すると、企業内で批判されるわけだ。

この環境で高品質なソフトウェア、役に立つサービスを開発するなんて、とても無理だと考えるのが正しい気がして仕方ない。日本全体で言えば、手間を減らすと価値が上がるものではなく、手間をかけると価値が上がるものに注力すべきだ。例えば、今から小学生にプログラミングを教えるのではなく、漫画やイラストの書き方、Illustratorの使い方を教える方がいい気がする。

P.S.
プログラミングは、文章を書くことやイラストを描くことと同様に、アートの領域に属する作業なのかもしれない。なぜか。文章の書き方を教えても、全員がうまく書けるようにはならない。少なくとも手取り足取り指導せずに、売り物になる文章を書けるようになるのは難しい。教えてみたら分かる。イラストもそうだろう。となれば、締切やガントチャートなどで進行を管理するのはそもそも間違っている。今年(2020年)はその方向でやってみよう。

トップが変わると会社は変わる

変貌するMS かつては囲い込み、いま「オープン化」:朝日新聞デジタル

米マイクロソフト(MS)が変貌(へんぼう)している。かつては他社を押しのけてウィンドウズを販売し、顧客を囲い込む姿勢で知られたが、今のキーワードは「オープン化」と「多角化」だ。グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの「GAFA」の陰に隠れてかつてほどめだたないが、実は今の時価総額は4社を上回る。何が起こっているのか。 ...
ウィンドウズとビジネス統合ソフト「オフィス」を二本柱に、オープンソース陣営とは激しく対立してきた。それを大きく変えたのは、14年にCEOに就いたナデラ氏だった。
ナデラがトップになって、MSは本当に180度変わったよね。IT企業の首位をGoogleやAppleに明け渡して(時価総額とかはさておき)、追う立場になったのがプラスに働いたのかも。ただ、通常は、追う立場になれば、すでにある売上に固執するものだけど、ナデラは違った。

「電脳コイル」をやっと見た

電脳コイル デンノウコイル(全26話)

時は202X年、今よりもちょっと未来。子供達の間で"電脳メガネ"が大流行していた。この"電脳メガネ"は、街のどこからでもネットに接続し様々な情報を表示する機能を備えた、子供たちになくてはならないアイテムだ。現代の携帯電話のように普及し、ほぼ全ての子供が持っている。舞台は由緒ある神社仏閣が建ち並ぶ古都でありながら、最新の電脳インフラを擁する地方都市「大黒市」。小此木優子(おこのぎゆうこ) ...
やっと「電脳コイル」を全部見た。全然ストーリーを知らなかったので、日常系、サザエさん風のほんわかしたストーリーを想像していたのだが、なんだこりゃ、後ろの数話はものすごくハードな展開だった。一つ思ったのは、中盤の展開で、猫目はともかく、そのほかの人物はイサコにしてもオバちゃんにしても、それぞれが自分にとって最善を追求した結果として、最悪の事態が起こってしまうのがやりきれない。

Wednesday, May 08, 2019

「KOSMOS ink」到着→レビュー

クラウドファウンディングの「machi-ya」で注文した万年筆「KOSMOS ink」がやっと届いた。開封してインクを入れて試し書きしてみたので、レポートする。
まずプロジェクトはこれ。

メタル素材好きにはたまらない!チタン・アルミ・真鍮から選べるハイクオリティ万年筆「KOSMOS ink」 - machi-ya(マチヤ)
https://cf.machi-ya.jp/project/20180720/01

購入したのは、「KOSMOS ink - Titanium」と「オプションペン先 - 14k Gold」。突き刺しておく台(ベース)とか、木製らしきケース(ホルダー)も選べたが、万年筆は専用のケースに10本ほど入れて持ち歩いているので、台やケースはワシには不要。本体はアルミ、チタン、真鍮から選択できたが、ワシはチタンを選んだ。アルミは感触が安っぽく感じられるし、このデザインにはチタンのような落ち着いた雰囲気が合うのではと思ったからだが、根拠は全くない。

また、14金のペン先(ニブ)を追加注文したが、デフォルトはスチール。スチールのニブの万年筆は何本も持っているが、普段使いに耐えるものは半分もない。ワシ的にはゴールドのニブは必須だ。太さはEF(極細)を選択。海外製の万年筆なので、国産のものより太く感じられるはずだ。

クリップ付きも選択できたようだが、本体には2つの凹みがあるので、クリップがなくても転がらない。胸ポケットに刺して持ち歩くなら、もう少し安物の方が安心なので、クリップは不要。

で、届いたのがこれ。


▲黒いのが「KOSMOS ink」の本体が入った箱。白いのが14金のニブの箱。


▲本体の入った箱をスライドさせて開けると、本体以外に布製の袋とニブが入っていた。このニブはスチール製で、デフォルトでついてくるものだ。「※ 本体にはSteelのペン先がセット済みです。」とmachi-yaのページには書いてあるが、ニブとの同時注文なので、セットせずに送ったものと思われる。


▲標準セットの中身。上部右側が本体で、上部左がキャップ。本体は左1/4と右3/4が別パーツになっており、ネジで固定されている。くるくる回せば、分離する。ニブのない万年筆を手元で見るのは初めてなので、「へー」と思った。本体の中には、カートリッジが入っているようで、振るとカラカラ音がする。


▲本体を外してみた。カートリッジがハマった状態で出てきたのが、中央上に立ててあるパーツ。どうやら、中央左のパーツ(指を添えるところ)の中に差し込んで、外側からニブをネジ止めする構造になっているようだ。この構造を見るのも初めて。カートリッジは欧州統一規格っぽい。この後、メーカー(Stilform)のページを見たが、記述は見当たらなかった。ただ、他のレビューを調べたところ、欧州統一規格で間違い無いようだ。


▲さて、次はニブだ。箱を開けると、こんな感じで収まっていた。複数の素材からなっているわけでは無いので、シンプルな外見だ。表面には「ROCK 585」と彫られている。見た感じは、あまり高級そうでは無い。


▲組み立ててみた。本体が完全な円筒形なら、ニブをどの位置で止めてもいいが、2箇所の凹みがあるため、指の引っ掛かる位置とニブの向きをどうするのかでちょっと悩む。本体内に入っていたパーツを緩めれば調整は何度でもできるが、ちょっと面倒。


▲白紙の上に置いてみた。うん。

これは失敗だ。

チタンの本体とゴールドのニブが全く合わない。これならニブもチタンにするか、アルミか真鍮の本体を選んで、色を変更すればよかった。気を取り直して、標準添付以外のカートリッジがないか探してみるが、欧州統一規格のものは手元になかったので、とりあえず付いてきたカートリッジをつけてみた。

試し書きの感想は、次の記事で(多分)。