Friday, April 19, 2019

見上げる空の高さの違い

Image from Gyazo
山中さんはここ1年で、多くの優れた編集者に会ってきました。そのなかで知った彼らの仕事ぶりは、「作家の成果物には即フィードバック」「打ち合わせで話題になった事象の関連資料は翌日にも作家へ発送」など、手際よく迅速で気配りも行き届いていたとのこと。しかもそれらを当たり前のように処理していて、あらゆることに対し「普通」とするレベルが高かったのだそうです。
「ヒットメーカーは『普通』の基準が高い」 漫画編集者の体験談に大きな反響 - ねとらぼ
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1904/04/news013.html
昔、他の同業者からどんどん仕事を奪い取っていた頃、要求されるレベルより出来るだけ上のものを提出するようにしていた。しかし、いつの頃からだろうか、要求レベルギリギリを狙うようになった。あるいは、多少下回っていても、「まあいいか。大勢に影響ないし」と思うようになった。昔は他の同業者より売れるものを作れたのに、今や他の同業者を羨むことが多くなった。

まさに堕落である。確かに、業界全体の落ち込みがひどく、多少いいものを作ったところで売れないとなると、パレートの法則を適用し、細かい仕事から手を抜かざるを得ない。そうでないと、簡単に搾取されてしまう。ワシの業界は、なぜか安い仕事ほど面倒くさい傾向が強い。おそらく、原価計算をきっちりするから安くなり、原価計算ができるくらいちゃんと考えているからこそ、面倒くさくなるのだろう。
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そういった「ハズレ」の仕事を避けて、楽で高い「アタリ」を引いてくるのが良いことと考えざるを得なくなってきた。当然、「ハズレ」の仕事も増えてくるし、ハズレっぷりも酷くなってくる。その過程で、現状のように「アタリ」の仕事にも全力であたることが減ってしまった。歳のせいもあるが、本当に残念だ。

あとどれだけこの業界に居られるのか、あるいは他の業界で生きていかねばならないのかわからないが、重要な部分を他人に任せるのは止めて、自分で責任を取れるような形で進めていきたい。一時的に失敗が増えるかもしれないが、誰かのせいにする必要はなくなる。そこで何とかできればいいのだが。

タイトルだが、同じことをワシも昔から考えていた。そして、それを「見上げる空の高さの違い」と表現してきた。下を向く人、水平線に目を向ける人、そして天を仰ぐ人。どれがいいとかではなく、その違いが結果に跳ね返ってくる。よくよく考えておくべきだ。

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