Tuesday, January 27, 2009

「GDrive」というアイディアの真の問題点は

@ITの西村記者によれば、GDriveの問題点はユーザをローカルアプリケーションの活用へと引き戻すところだとか。
 グーグルをSaaSベンダとして考えると、汎用ストレージサービスの提供は自己矛盾をはらんでいるようにも思える。これまでローカルアプリケーショ ンの世界から、オンラインサービスの世界へとパラダイムを転換しようと多くのサービスを開発してきたのに、人々がストレージ上にオフィス文書を置いてローカルアプリケーションの世界にとどまってしまっては困るだろう。
 オフィス文書ならGoogle Docsがあるし、写真ならPicasa、動画ならYouTubeがある。逆に汎用のストレージが必要なものの多くはローカルアプリケーションと紐付いているのではないか。ダブルクリックしてローカルアプリケーションが起動するようなファイル形式があるとしたら、グーグルとしては、そのアプリケーションをオンラインサービスで代替したいと考えるだろう。そのアプリケーションに紐付いたファイルをクラウドに置いてもらったところで仕方がない。
個人的には違うと思う。もちろん、ローカルアプリケーションにユーザを誘導してしまっては、広告モデルにとってプラスにならない。それは確かだけど。
オフィス文書ならGoogle Docsがあるし、写真ならPicasa、動画ならYouTubeがある。
ここではないかな。「オフィス文書はGoogleドキュメント、写真はPicasa、動画はYouTube」という分類はあくまでも便宜上のものでしかない。オフィス文書も写真も動画も、すべて「データ」だ。単なるオンラインストレージなら、あちこちでいいサービスが生まれている。Googleがもしこれから参入するなら、「データ」を一元的に扱えるような新しいデータベースを提案し、今後10年間誰も付いてこれないようなものを作り出す必要がある。Gmailのように。そして、単なる素晴らしいサービスを提供するだけでなく、それが大きな収益を生む仕組みも考えねばならない。

もしそんなことを考えていたなら、さすがのGoogleといえども、「GDrive」をなかなかリリースできなくても仕方ないと思う。インターフェイスを考えるだけで数年は十分かかりそうだし。おそらく、今、類似のものが地球上のどこにも存在しないものを作らないといけないので、そんなに簡単にはできないだろう。

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