Friday, December 11, 2020

「PC誌元編集長」が知っておくべきだったこと


パソコンが登場してもう30年以上、Windows95が登場して四半世紀になるが、まだまだパソコンは一般人のものとなっていない、と痛感させられた記事を紹介したい。

「PC誌元編集長もため息」お客をたらい回しにするパソコン業界の不親切 新品を買ってきてもすぐに使えない

パソコンにはトラブルがつきものだ。仕事で使うPCなら社内で聞けるが、私用であれば販売元のサポートセンターに問い合わせるしかない。パソコン雑誌『YOMIURI PC』の初代編集長を務めたジャーナリストの知野恵子さんは「新聞社を辞めて、私用PCを買ったが、すぐにはまともに使えない。メーカーとソフト会社をたらい回しにされて、午前中だけで計6回も電話で問い合わせるハメになった」という--。 ...


筆者は「YOMIURI PC」の元編集長とのこと。初心者向けPC雑誌では、たまにパソコン初心者が編集として加わることは珍しくない。編集長が初心者ということも以前はあったようだ。最近はさすがにそんなことは減ったが。

以下、ツッコミと解説をだらだらと。

>新品を買ってきてもすぐに使えない

これは言える。車などと異なり、パソコンは用途が多様なので、カスタマイズは必須。Windows95などの時代は、買ってきたパソコンだけではほとんど何もできず(当時はブラウザさえ別売りの製品があった!)、いろいろな周辺機器やソフトを購入しては追加していくステップが必要で、「新品を買ってきてもすぐに使えない」のは当然のことだったのだ。

周辺機器やソフトを買い揃えていくにつれて、ちょっとずつユーザーもレベルアップしていったものだが、現在はプリインストールされたアプリだけで大半の作業ができてしまう。レベルアップの機会が曖昧になってしまったことは、マイナスかもしれない。

また、初心者に限って「このアプリじゃないとダメ」とか「こういう周辺機器でないと使えない」とか、妙な注文が多い傾向にある。中級者以上は、多少効率は悪くなっても、とりあえず自分をデフォルトに合わせる技術は持ち合わせている


>新聞社を退社した。まずパソコンを買わねばならない。考えた末、会社で使っていたパソコンと同じノート型のウィンドウズパソコンとソフトを買おうと決めた。長年、パソコンやインターネットを使っているが、機械操作は苦手だ。できるだけ慣れ親しんだ環境を再現し、操作のストレスを減らそうと考えた。

お気持ちはよくわかるのだが、完全に「慣れ親しんだ環境を再現」したいなら同じメーカーの同じ型番まで指定しないとダメ。ノートかデスクトップか、WindowsかMacかなど、そんな大雑把な選び方ではマズい。Macはさすがにハードウェアは一社しか作っていないので、操作感が大幅に異なるということはないが、Windowsは厳しい。

だいたい、キーボードが異なるだけで、操作のストレスは大きく異なる。中級者以上なら誰でもわかることだが、複数台のパソコンの環境を厳密に揃えることは非常に難しい。カスタマイズなしのMacのノート型なら、多少製造年が違ってもなんとか可能かも……というところだ。Windowsは絶望的だ。まずは、それを知っておいて欲しい。

じゃあ、どうしろと言うのか。1つ目の解決方法は、Macに移行すること。環境についての問題はほぼ解決する。2つ目の方法は、MicrosoftのSurface ProまたはSurface Bookシリーズに移行すること(この筆者の状況では、Bookの方が良さそうだが)。Surfaceシリーズは非常にベーシックなモデルなので、プリインストールソフトが少なく、妙なクセもない。他には、Chromebookに移行することも解決に繋がる。Chromebookなら、乗り換えても同じ環境が再現しやすい。ただし、これは最初に知っておくべきことがかなり多いので、すぐに原稿を書くところになかなか至るまい。


>ボードを眺めていると、メーカー派遣の店員さんから「パソコンで何をしたいですか?」と声をかけられた。「文書作成、ネット、電子メール、リモート会議」「目に優しい大きな画面のノート型がほしい」と答えると、「カスタマイズ」を勧められた。自分でスペック、ソフトなどを選ぶ方法だ。ただ注文生産になるので、手元に届くまで2週間かかる。

「文書作成、ネット、電子メール、リモート会議」という答えは、現実的だが、何も答えていないのと同じだ。なぜなら、文書作成、ネット、電子メール、リモート会議のどれか一つでもできないノートパソコンはほとんどないからだ。並んでいるノートパソコンなら、何を持って帰ってもいい。フロントカメラのない製品はあるかもしれないが、Webカメラをつなげば問題ない。

そもそも、その程度の用途ならパソコンではなく、iPadでいいんじゃないか?最初はちょっと慣れるまで時間がかかるかもしれないが、慣れれば作業スピードはかなり上がる。もちろん、パソコンのようにドラッグ&ドロップできないなど、作業で問題となる点は多くあるが、それを差っ引いても、動作速度が異常に遅くなるなどのトラブルはiPadの方が圧倒的に少ない。



「目に優しい大きな画面のノート型」と聞かれたら、ワシ的にはNECか富士通の17.3型液晶搭載のノートを勧める。これが気にいるかどうかは、ある程度触ってみないとわからないので、ぜひ店頭で。

2019年夏モデル・2020年春モデル LAVIE Note Standard 17.3型ワイド NS850・350/NAシリーズ 15.6型ワイド NS700・600・300/RAシリーズ、150/NAシリーズ、NS100/N2W(ノートパソコン)|NEC LAVIE公式サイト

NECのノートパソコン、LAVIE Note Standardについての製品情報ページです。NEC LAVIE公式サイトではNECのノート・デスクトップパソコンから最新タブレッド、ブロードバンドルーターまで様々なPC関連製品の情報を掲載しております。

ただ、メーカー派遣の店員だと、派遣元のメーカーが大画面ノートに弱いと、ちょっと困るかもしれない。


>悩んだのはメモリとストレージだ。大きいほど安心だが、高額になる。店員さんは「メモリよりもストレージを増やした方がいい」と言う。ウィンドウズ10そのものが大きなソフトである上、パソコンメーカーもいろいろとソフトを組み込むので、使える領域が減ってしまうからだ。客には迷惑な話だ。最近は、データをクラウドに保存する人が多いが、私は手元で保存したい。そこでメモリはそのままで、ストレージを増やした。

店員がストレージを優先しろといった真意は不明だが、一般的には逆。ファイルは外部に保存することで空き容量を増やすことはできるが、メモリはそういう手が使えない。しかも、最近はメモリを後から増設できないモデルが一般的になっている。

「パソコンメーカーもいろいろとソフトを組み込む」ことに対しての反発はわかる。ただ、海外メーカーを中心にプリインソフトが少ないモデルも多い。国内メーカーのものは仕方ないので、我慢するしか。


>会社ではマイクロソフトの「ワード」「エクセル」「アウトルック」「パワーポイント」を使っていた。この4本がセットになっている「オフィス ホームアンドビジネス」(Office Home & Business)を購入し、トレンドマイクロのセキュリティーソフトも買った。

うーん、サポート期限のある買い切りアプリよりMicrosoft 365の方がいいと思うが、ここは考え方によるかもしれない。ただ、悪いことは言わないから、トレンドマイクロはやめとけ。今は、Windows10標準のWindows Defenderがかなり優秀なので、特別できの良いマルウェア以外はほとんど防げる。ウイルス対策ソフトを導入することによる問題の方が大きい。失うと困るデータはオンラインストレージに上げておくことで、かなりの確率でデータを守ることができる。

このあたりの考え方は、細かいスキルよりも優先して身につけておいて欲しいところだ。


>うれしくなって、「エクセル」に1行書き込み、保存してみた。すると、信じられないほど時間がかかる。何が起きているのだろう。はたと思い当たった。マイクロソフトのクラウド「ワンドライブ」に保存しようとしているのではないか。

Excelの保存ダイアログで保存先は選べるはずだが…。OneDriveやWindows10の問題ではなく、Excelの使い方を知らないのが問題のような気がする

>その夜、パソコンで初めて原稿を書いた。途中で少し席をはずして戻ると、画面に「再起動しています」と表示され、点線で書かれた丸がくるくる回っている。私は再起動した覚えなどない。怪奇現象? 強制終了もできない。電源を切って、無理やり画面を消した。

怖いことをするなあ、というのが最初の感想。おそらく、この時まで、ちゃんとWindows Updateを実行せずに使っていたのだろう。最初にセットアップしたWindowsなら、ほぼ丸一日、Windows Updateで時間が潰れるのはむしろ常識。やらないで使い続けることは不可能なので、先にやっておいた方がいい。

また、Windows Update中に電源を強制的に落とすなんて、怖くて俺にはできない。実際にはなんともないことが多いようだが、HDDへのダメージが心配なので、普通はやらない。


>メールもトラブルが続く。Gメール(Gmail)のアドレスを使っているが、アウトルックでの送受信に異常に時間がかかる。Gメールとアウトルックは、ファイル管理の仕方が異なるので時間がかかるそうだ。

Gmailをアウトルックで送受信するのか……。なんのために?そうすると、何か楽しいの?と聞いてみたくなる。Gmailはブラウザで操作するのが一番いい。時短になるし、トラブルも減る(トラブル発生時にもトラシューが簡単)。まあ、アウトルックのテンプレート機能は、Gmail+ブラウザではやや貧弱だろう。しかし、拡張機能やクリップボード操作アプリをいくつか組み合わせれば、ほぼ同じことができるはず。

>パソコン画面下のタスクバーに表示されているメール型のアイコンをクリックすると「登録」を求められる。取材先から届いたメールや添付のPDFファイルに記載されたメールアドレスをクリックしても、メール作成画面は出てこない。サポート窓口へ問い合わせて、ようやくメールソフトのデフォルトが、ウィンドウズ10のおまけソフト「ウィンドウズメール」になっていると分かった。設定を変えると、あっけなく解決した。

「ウィンドウズメール」という名前は、Windows10の「メール」アプリに関する限り、使われていないはずだ。Windows 7に標準で付いていたメールアプリは「Windowsメール」だったが。

それはともかく、自分が操作しているアプリが何なのかを知ることは、パソコンだけでなく、スマホでも重要だ。画面の細部はアウトルックとメールアプリでは多少異なるので、よく見ればわかる。ただ、この記事の筆者にはちょっと難しかったかもしれない。


>また、ネットを通じてさまざまなものがパソコンに入り込もうとしてくる。必要なソフトをネットでダウンロードしたら、頼みもしないセキュリティーソフトがくっついてきた。私のパソコンには別のセキュリティーソフトが入っている。うっかり組み込んでしまうと、トラブルの引き金になりかねない。

「頼みもしないセキュリティーソフト」というと、McAfeeか何かか?いずれにしても、あまり筋が良くないソフトなので、ぜひ別のソフトに乗り換えることをお勧めする。

このレベル人にお勧めなのがChromebookだ。Googleアカウントは必要だが、それ以外は不要。たまにOSなどの更新はあるが、「再起動してね」という通知に従って、好きな時に再起動すれば良い。オフィスソフトを買う必要もなく、スプレッドシートやドキュメントを使えば、保存する必要もない(勝手に保存される)。書類はブラウザで完結するのだ。

データは全てGoogleドライブに保存されるので、バックアップは基本的に必要ない。ただ、パソコンを使う時にはネット環境だけは確保したい。繋がらなくても作業できるオプションはあるが、オフラインでは何かと不便だ。

電話サポートはないが、どうしても必要ならGoogle Workspaceを契約すれば良い。ただ、Windowsのように、たらい回しされながらも話を聞いてくれる人が欲しければ、Windowsノートの方がいいかもしれない。

ということで、これからは初心者はWindowsではなくChromebookで仕事をしよう、という結論にしておきたい。


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