Thursday, November 26, 2020

実用書に「ちから」を持たせるための唯一の方法

20190216 writing

「なりたい」という気持ちと「やりたい」という気持ちはまるで別物。そこをわかってないと、養分にされるだけ。

ここまで読んで来た人ならば、いかにこれらの夢を売るセミナーが滑稽な事かわかるだろう。「なりたい」を肴にして、いくら他人に技術を教えようが「やりたい」だけは絶対に他人に習得させる事はできない。これは純然たる事実だ。

実用書の界隈に長く住んでいると、技術的なことをそつなく解説すれば、「とりあえずこれでいいか」というものは呻吟しなくても作れるようになってくる。しかし、他人の原稿を読んでいて頻繁に思うのは、「熱量」の不足である。「こうすれば、できるよ」という技術の部分は、いくらでもパクれる。そもそもそんなに難しいことはやっていないし、特殊なアイテムを使っているわけでもない。

ただ、「どうしてもこうしたい。なぜなら、この問題を解決したいから」といった「熱量」をパクることはなかなか難しい。「熱量」の高い原稿とそうでない原稿は、目標に向かって一直線に進むことを宿命付けられている実用書のジャンルでも、大きな違いが出てくる。そして、その「熱量」は他人が与えることはできず、自分で得るしかないのだ。

あなたは尾田栄一郎になりたいですか

もうひとつ、関連してよく考えるべきなのは、「ワンピース」作者の尾田栄一郎のくだりだ。「あなたは、尾田栄一郎になりたいですか」という問いは、大変重い。使い切れないようなお金を稼いだ上で、1日21時間労働を毎日続けたいのであれば、尾田栄一郎を目指すといいだろう。もし、イケハヤになりたいのであれば、イケハヤの働き方や考え方を真似ればいい。尾田栄一郎は無理でも、イケハヤの劣化コピーにはなれるかもしれない。

このとき、尾田栄一郎やイケハヤの得たものだけ見てはいけない。使い切れないような資産や楽をして(?)田舎暮らしという得たものだけではなく、毎日午前2時に寝て午前5時に起きる労働環境や、炎上商法で煽ったり売上を利益に見せかけたりするやり方も含めて、真似をしたいのかをよく考えるべきだろう。

1日21時間労働が嫌なら、あなたは尾田栄一郎にはなれない(別の方法で尾田栄一郎のように稼ぐことはできるかもしれない)。情弱を釣りまくって、ネットのあちこちで悪口を言われるような問題手法を実行し続けられないなら、あなたはイケハヤにはなれない。

投資で稼ぐためにいちばん重要なこと

また、cis氏の話も紹介されているが、ここからわかることは「投資で稼ぐには、投資で稼ぐことが好きでなければならない」ということだ。何を決まりきったことをと思うかもしれないが、投資はあまり好きではないが、仕方なく投資を行っている人が世の中には非常に多い。

職業投資家以外の投資家は、投資で稼いで大金を使いたい、または大金を貯めたいと考えている。つまり、投資の目的は消費や蓄財なのである。これでは、途中で挫折してしまう。本当に大金を得たいのであれば、投資で稼ぐことを第一目標にすべきだ。「大金を得たいから、投資をする」のではなく、「投資で稼ぎたいから、投資をする」と考えて、得られたお金の金額には頓着しないようにならないと、本当に投資でうまく稼ぎ続けることは難しいだろう。

投資を始める、ほぼすべての人は「お金を増やしたい」という欲望が最初にあるので、だいたい欲に目がくらんで失敗する。「投資という行為を極めたい」と考えれば、失敗しないだろう(成功するとは言ってないので注意)。


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