PDFを切り取って余白を作りたいとき、結構苦労する。 たとえば、ゲラの一部に赤字を入れたいとき、キツキツにトリミングされたPDFをもらったときなど、どうしたものかと思うだろう。もちろん、印刷して赤字を入れてスキャンするならいい。しかし、ペンで手書きできるタブレットを持っているのに、印刷という本来不要なステップを挟むのはよろしくない。
Acrobatでできそうに思うかもしれないが、その機能は見当たらない。もしあれば教えていただきたいが、ワシの知る限りではAcrobatにはトリミングの機能はあるが、余白を追加するには別のアプリが必要だ。
無料でできる方法もあるのだろうが、Adobe CCを契約中なので、今回はIllustratorを使ってみよう。環境はMacのCatalinaだ。余談だが、Catalinaにアップグレードしたら、32bitドライバが全部動かなくなったため、キヤノンの古いプリンターが使えなくなった。まあ、Windowsもあるし、iPhoneやiPadからでも印刷できるので、今のところはなんとかなるのだが…。この話はまた次回書くことにしよう。
閑話休題。手順を紹介しよう。
1.PDFをトリミングする
プレビューでやってはいけない。プレビューはPDF編集ツールとしても大変優秀なのだが、独自の形式で吐き出すので、プレビューでトリミングしたPDFはIllustratorで読み込めないことがある。Acrobatを使うのがオススメ。
2.IllustratorでA4のファイルを作る
新規ファイルをA4サイズで作成する。ファイル/新規を選択して、ダイアログでA4を選べば4よい。
3.PDFを配置する
ファイル/配置を選択して、トリミングしたPDFを選択し、アートボード上をドラッグして配置する。
4.位置とサイズを調整する
トリミングしたPDFを適当に移動、リサイズして作業完了。
実は、Illustratorにもトリミング機能があるので、配置した後でオブジェクト/画像の切り抜きを選びたくなるのだが、これはあまりよろしくない。なぜか。2枚の画像を御覧いただきたい。
上が、Illustrator上でトリミングした結果。下が、トリミングしたPDFをIllustratorに配置した結果。下のほうがずっとキレイなのは一目瞭然だ。なぜか、Illustrator上でトリミングすると、ラスタライズされるのか、ガタガタになってしまう。
この手順は、毎月1回程度、必ず実行するのだが、記憶力の衰えてきたワシは覚えていられず、毎月「どうだっけなあ」と試行錯誤している。さすがにあんまりなので、メモしておく。
追記 印刷コマンドをうまく使えばIllustratorは不要
Macでは、「プレビュー」でトリミングした後、Command+Pなどで印刷する際、プリンターに出力するのではなくPDFに保存すると、きれいな状態で保存できた。この方法はできないと思い込んでいたのだが、どうやら問題ない模様。今後はこれでやるか。なお、聞いた話では、WindowsではAcrobatでできるとか。