「BOOX Max2 Pro」を試用する機会があったので、ちょっと気になることをメモしておきたい。基本的にはいろいろ荒削りなところはあるが、とてもいい製品だと思う。メモリがかなり潤沢になったため、アプリをいろいろ試せるが、仕様がかなり特殊なので、Android 6.0搭載でもアプリをバンバン活用する使い方には向かない。
そのため、デフォルトのメモアプリやPDFビューアーを使う機会が多いと思うが、ネットにそのまま繋がることと、メモアプリでは手書き文字が思ったように書けたのがとてもいいと感じた。ソニー「DPT-RP1」を日常的に使っていてMacからいちいちPDFをコピーしなければいけないのが、かなり煩雑に感じるのだが、「BOOX Max2 Pro」はGoogleドライブにもDropboxにもアプリ経由で直接接続できる。また、手書き文字に変な崩れが生じないのもいい。「DPT-RP1」(および「DPT-CP1」)では斜めの線に大きな問題を抱えており、手書き文字や曲線が微妙に崩れるのがちょっと嫌なのだ。
「DPT-RP1」で斜めの直線が波打つのは、実は仕様である。
DPT-RP1、DPT-CP1は、静電容量方式を採用しております。静電容量方式を採用したことにより、フラットパネルを実現し、画面の隅までブレなく記入することができるようになりましたが、画面の上に定規などの誘電体を置くとご指摘のように斜線を描くと波打って表示されてしまいます。(縦横の直線はまっすぐ書けます)これは静電容量方式のペンとパネルの特性となります。
DPT-S1では、定規などを使って斜めに... | Q&Aページ | Q&A | サポート・お問い合わせ | ソニー
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定規が誘導体なのは知らなかった…。それはともかく、斜めの線をまっすぐ引こうと定規を使うのは悪手である。きれいに波打つ。手書きでさっと引いたほうがいいだろう。ただ、定規を使わなくても波打つのである。
左はまっすぐ置いて縦横の線を引いてみた。右は本体を45度傾けて、縦横の線を引いてみた。見事なまでの波打ち方である。しかし、「BOOX Max2 Pro」では、この問題は生じない。ペンが細くて若干持ちにくいが、それを補って余りある書きやすさがいい。
では、「DPT-RP1」を捨てて「BOOX Max2 Pro」を使いたいかというと、なかなかそううまくは行かない。しばらく前からペーパーレスでの業務フロー構築を試みているのだが、ワシの仕事ではPDFへの赤字入れが非常に重要な作業である。「DPT-RP1」では(文字の斜め線が崩れる以外)まったく問題なくフローにまはるのだが、「BOOX Max2 Pro」は現在のフローで使うにはかなり工夫が必要になる。
なぜかと言うと、PDFに赤字を入れて誰かに渡そうと思うと、エクスポートしなければならないのだが、赤字の入った部分がページごとに別々の画像ファイルになってしまうのだ。これはこれでいいときもあるのだが、これでは困ることもある。また、PDFへの書き込みは、デフォルトのメモアプリでは色が黒のみで、変更できない。変更できたとしても、本体上では判別できないが、パソコンに持っていったり、印刷したりすると、色はそれなりに重要だ。また、画像ファイルが複数できると、印刷は結構面倒である。
ということで、「DPT-RP1」に不満がないわけではないが、赤字を入れたときにPDF注釈にならないと、「BOOX Max2 Pro」を業務には使いづらい。デフォルトアプリ以外は、ペン先の追随性に問題の多いものが多いこともあり、自分の手でメモを取るか、PDFを読むか、PDFにメモを入れても自分しか見ないか、そういう人になら「BOOX Max2 Pro」はおすすめできるだろう。
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