2008/09/25

「知識についての知識」で思い出したこと

内田樹先生のこのエントリを読んで、全然関係ないことを思いついた。
「自分が知っていること」は知の文脈の中でどのようなポジションを占めているのか。
「知識についての知識」を得るためのショートカットは存在しない。
そういうたいせつなことはグーグルで検索しても誰も教えてくれない。
他人のテクストを読んで、「ばーか、ばーか」と言うのは小学生でもできる。そのテクストの背後に何が潜んでいるのか、すなわち他のテクストとの関係、筆者の立場との関係、筆者以外の人との関係を明確に浮かび上がらせねば、他人のテクストを正しく批判しているとは言えない。

さらに面倒なのは、その批判に内在する論理の構造にも注意しなければならないことだ。「Aさんの本のこのくだりは、Bさんの本のコピペだ」という批判は、「このくだり」がBさんの本に存在することを証明すれば正しいわけではなく、「コピペが悪である」「Bさんは他からコピペしていない」「AさんはBさんに許諾を取っていない」などなど、大変な量の事実を援用しなければ、とても「この批判は正しい」とは言えない。さらに、その批判が正しいにしても、「Bさんは他の本ではコピペをしまくっている」「実はこれはコピペの範疇には入らない」などの新事実が明らかになれば、どうしようもない。頭がふらふらしてくる。

ここまで突き詰めると、ネットで当事者として論争に関わるなんて、面倒な割に得られるものが少なくて、どうにもならない。せいぜい、吸収させてもらって、勝手に吸収してもらう程度のことが精一杯だ。
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